本シリーズは Patisco のデモアカウント「鼎立」を使っています。掲載している画面とデータはすべてシステム上で実際に操作して生まれたもので、買い手とサプライヤーのやり取りも含め、作り物の画面ではありません。人物と会話は演出で、イラストはイメージです。画面はシステムの中国語表示のものですが、Patisco は日本語でもご利用いただけます。
物語の時間:小宇の最初の週の金曜、夕方 5:30
1つの質問
飲み物はまだ届いていません。事務所では、阿哲(アージャー)が小宇(シャオユー)に〔変更差分〕の見方を教え、秀琴さんが今月の帳簿を合わせています。
林社長はひとり社長室に座り、お茶を1杯いれて、〔AI アシスタント〕を開き、〔新しい会話〕を押しました。
少し考えて、1行打ち込みます。
「Velostrada の最近のプロフォーマインボイスは何枚ある? それぞれいつ、いくら?」

AI は鼎立のアカウントのデータを読み、Velostrada の PI を3枚挙げました。PI-2503-0062、PI-2509-0187、そして今期の PI-0411。それぞれの品目、数量、金額が1行ずつ並んでいます。相手から届いた副本は PI に数えないことも、別に注記してありました。
林社長はその一覧を眺めながら、いろいろなことを思い出していました。
この間に何があったか
AI が挙げたのは書類です。書類の裏で起きたことは、林社長自身が覚えています。
- 展示会の前、いちばん揃った製品資料がなんと顧客のサイトにあり、阿哲が一度に取り込んだこと。
- ブースで Jonas が隣の見積もりを手に「3割安い」と言ったこと。阿哲は「戻って調べます」とは言いませんでした。
- 展示会から戻ると、名刺はたった11枚。けれどポーランドの Marta はホテルで QR コードを読み取り、自分から連絡してきました。サンプルの支払いはもう済み、来月には最初の正式注文が入ります。
- Jonas がこっそり 0.3 変えたのを、システムが表示したこと。そして、みんながようやく阿美の妊娠に気づいたこと。
- ハンブルクの会議室で、Jonas が本音を口にしたこと。
- 永錩精密鍛造の値上げ、宏泰チェーンのめっき変更。調整した条件は、どれも書類に書いてあること。
- 検品、烏日からの直接出荷、全部大文字の問い合わせメール。答えはもともと1か所にありました。
- 阿美の産休。引き継ぎは午後のうちに片づきました。小宇は最初の1週間で、1件の取引を読み通しました。
以前と今
林社長が会社を継いだ頃、1件の取引の「記憶」は一人ひとりの中にありました。製品は阿哲のパソコンに、価格は Excel に、納期は阿美の LINE に、帳簿は秀琴さんの引き出しに。
今、そのほとんどは会社にあります。みんなが以前より真面目になったからではありません。やり取りが発生した時点で、もうデータになっているからです。あとから打ち込む必要も、あとから整理する必要もありません。
ただ、システムに入っていないものがあることも、林社長は知っています。張さんの好きなお茶。Jonas の「Not more」がどういう意味か。Marta があのホテルでなぜ QR コードを読み取ったのか。それは、人のことです。
林社長の最後のひとこと
飲み物が届きました。林社長が社長室を出ると、みんなはもう分け始めていました。
小宇が聞きます。「社長、さっき AI に何を聞いてたんですか?」
林社長は少し考えました。「この2か月、うちが何をしてきたか聞いたんだ」
「なんて言ってました?」
「書類をたくさん挙げてくれたよ」林社長はぬるくなった烏龍茶をひと口飲みました。「でも貿易ってのは、差額を稼ぐだけの仕事だったことは一度もない。毎日何かが変わるんだ。顧客が注文を変える、サプライヤーが値上げする、荷物が途中で1箱足りなくなる、誰かが産休に入る。うちの仕事は、何かが変わったときに、それでも受け止めることだよ」
阿哲のスマホが1回鳴りました。阿美が社員のグループに写真を送ってきたのです。眉間にしわを寄せた小さな赤ちゃん。予定日より数日早い誕生でした。
秀琴さんが言いました。「こんなに眉をひそめて。将来はきっと帳簿合わせが得意になるね」
社長へのひとこと:Patisco があなたの代わりに商売をすることはありません。Patisco がするのは、何かが変わったときに、データがもうそこにあって、人が判断に集中できるようにすることです。
『貿易の瞬間』は、ここでひと区切りです。
御社の取引を1件 Patisco に載せるとどうなるか見てみたい、という方は、ぜひお話ししましょう。導入相談を予約する
(やったことがある人なら、わかる。やったことがない人にも、読めばわかる。最後まで読んでくださって、ありがとうございました)
