本シリーズは Patisco のデモアカウント「鼎立」を使っています。掲載している画面とデータはすべてシステム上で実際に操作して生まれたもので、買い手とサプライヤーのやり取りも含め、作り物の画面ではありません。人物と会話は演出で、イラストはイメージです。画面はシステムの中国語表示のものですが、Patisco は日本語でもご利用いただけます。
物語の時間:展示会の三週間前、月曜日
三つが同時に爆発
月曜の朝、十分のあいだに電話が三本かかってきました。
印刷会社。「カタログは今週金曜に必ず校了でお願いします。それ以上遅れると機械が押さえられないので。」(去年も同じセリフで、去年も今週の金曜でした。)
展示会の運営会社。「ブースのスタンド看板のデータ、まだ届いていないのですが。」
林社長が社長室から顔を出します。「今年はヨーロッパ、アメリカ、日本の価格表、ちゃんと分けて作ってくれよ。去年みたいなのはなしだ。」
去年何があったのか。去年の価格表は米ドル版が一つだけでした。日本のお客さんがブースでスマホを取り出し、自分で電卓を叩いて日本円に換算して、叩き終えるとわずかに眉をひそめました。あの眉のことを、林社長は今も覚えています。

以前のやり方
展示会の前になると、鼎立は毎年三つの仕事をします。しかも毎年、一からです。
カタログの印刷。 Excel と写真から内容をまとめ、デザイン会社に渡してレイアウト、校正、印刷。刷り上がったその瞬間から、中の価格と仕様は古くなり始めます。展示会が終わると、倉庫の隅には配りきれなかったカタログが二箱増えています。
価格表づくり。 ヨーロッパ用、アメリカ用、日本用。通貨も価格も取引条件も違います。三つの Excel をそれぞれ直して、それぞれ PDF に変換します。
サンプルリスト。 どのサンプルを持っていくか、型番と価格は合っているか。阿美が手書きのラベルを一つひとつのサンプルに貼りますが、展示会の二日目には一枚はがれていました。
Patisco でのやり方
今年の鼎立は、やることが減ったわけではありません。ただ、どの仕事も一回で済むようになりました。
「展示会サンプル」カタログを一冊作る。
〔製品カタログページ〕で新しいカタログを追加し、今回展示会に持っていく製品だけを入れます。上部の〔バナー〕には目玉の新型カセットを置き、陳列スタイルとブランドカラーは鼎立の設定をそのまま使います。サンプルリストとカタログは同じデータなので、食い違いようがありません。
このカタログでは、鼎立は〔販売先に価格を表示〕をオフにしました。展示会で出会うのは初対面の人がほとんどで、価格は相手が誰で、どれくらい必要かを聞いてからでないと正確に話せません。まずは製品を見てもらえば十分です。
価格表:一つの地域に、一つの公開ページ。
公開ページは「まだアカウントを持っていない人」のためのカタログの入口で、登録しなくても開けます。公開ページ一つにつき、取引条件を一組と言語を一つひもづけます。そこで、ふだん各地域のお客さんに見てもらう分として、鼎立は三つ開きました。
- 英語、ユーロ価格で、ヨーロッパ向け。
- 英語、米ドル価格で、アメリカ向け。
- 日本語、日本円価格で、日本向け。

展示会用には「展示会サンプル」の公開ページをもう一つ開き、価格を表示しないあのカタログを載せて、モードは〔見積依頼可〕を選びます。訪問者は製品と仕様を見られて、気になるものはカートに入れ、そのまま見積を依頼できます。価格は、相手が誰で、どれくらい必要かを鼎立が確認してから提示します。
公開ページのモードは三つから選べます。〔取引条件から推定〕、〔見積依頼可〕、〔注文可〕です。価格が見えるかどうかは、カタログの〔販売先に価格を表示〕で決まります。鼎立のやり方は、この二つを一緒に設定することです。

リンクを名刺とスタンド看板に載せる。
「展示会サンプル」公開ページのリンクを QR コードにして、名刺の裏とブースのスタンド看板に印刷します。お客さんがホテルに戻って開くのは、三週間前に印刷したものではなく、今日のデータです。
カタログはまだ印刷する?
印刷はします。ただし価格を載せない、薄いブランドカタログを一冊だけです。価格と仕様は変わるのでオンラインに置き、ブランドの物語や工場の写真はあまり変わらないので紙に載せます。
阿美が今年の印刷の見積書を眺めます。「印刷が半分になれば、倉庫の隅にやっと別の物を置けますね。」
林社長。「何を置くんだ?」
阿美。「……私の物です。」それ以上は言いませんでした。
以前 vs Patisco なら
| 以前 | Patisco なら | |
|---|---|---|
| カタログ | 毎年組み直して印刷し直し、刷った瞬間から古くなる | オンラインカタログはいつでも更新。紙には変わらない内容だけを印刷 |
| 地域別の価格表 | 三つの Excel をそれぞれ直し、それぞれ PDF に変換 | 三つの公開ページがそれぞれ取引条件と言語にひもづく。展示会用には価格を出さないページを別に開く |
| サンプルリスト | 手書きラベルで、価格表とは別のデータ | 「展示会サンプル」カタログで、製品データと同じもの |
| 展示会後にお客さんがもう一度見たいとき | あのカタログを探す(捨てていなければ) | 名刺の QR をスキャンすれば最新データが見られる |
社長へのひとこと:展示会のお金はブースと人に使いましょう。毎年作り直す価格表に使うものではありません。
この回の背景:新しい世代の購買担当者は、ネットでよく調べて一通り比較してから問い合わせるのが習慣になっています。展示会場でいちばんよく聞かれるのは、だんだん「御社の製品は全部ネットに載っていますか?」というひとことになってきました。
