本シリーズは Patisco のデモアカウント「鼎立」を使っています。掲載している画面とデータはすべてシステム上で実際に操作して生まれたもので、買い手とサプライヤーのやり取りも含め、作り物の画面ではありません。人物と会話は演出で、イラストはイメージです。画面はシステムの中国語表示のものですが、Patisco は日本語でもご利用いただけます。
物語の時間:同じ週の木曜日、午前 11:00
ほんの少しの違い
張さんが送ってきた写真には、白い紙の上にチェーンが 2 本並んでいました。左が今のニッケルメッキ、右が新しいメッキです。サビに強く、色がほんの少し濃くなっています。
「ほんの少し」とは、どのくらいか。阿美(アーメイ)が外プレートの模様まで見えるほど拡大しても、やはりはっきりしません。
のぞき込んだ林社長は、ふき出しました。「おやおや、チェーンがおめかしか。宏泰さんも急におしゃれになったもんだな」
阿美は笑いませんでした。頭に浮かんでいたのは、Jonas のところの品質管理責任者です。去年、リムのあるロットが、ステッカーの位置が 5 ミリずれていただけで丸ごと返品になり、貼り直しになりました。
以前のやり方
以前の設計変更は、こんなふうに伝わっていきました。
張さんが LINE で写真を阿美に送る。阿美が阿哲(アージャー)に転送する。阿哲が Jonas にメールを書き、写真を添えて、新しいメッキのほうが良いと説明する。Jonas の返信は「What's the salt spray test result?」。阿哲が阿美に回し、阿美が張さんに聞く。
1 つの質問が、4 人と 3 種類のツールを経由します。試験報告書が Jonas の手元に届くころには、1 週間が過ぎています。
もっと危ないのは、仕様が本当に変わったのか、製品データと PI と出荷書類に同じことが書いてあるのか、という点です。3 か月後、貨物を受け取った Jonas が箱を開けて色が違うことに気づき、PI を見返すと、書いてあるのはまだ「ニッケルメッキ」。
Patisco でのやり方
サプライヤーを同じスレッドに
阿美は〔ディスカッション〕で新しいスレッドを立て、タイトルを「チェーンのメッキ変更」にしました。〔参加者を追加〕を押して〔Email〕タブに切り替え、宏泰の Email を追加します。宏泰は Patisco のアカウントを持っていませんが、問題ありません。相手がメールで返信すれば、その返信がこのスレッドに入ります。

阿美は〔Email で返信〕で 2 つのことを尋ねました。塩水噴霧試験の報告書と、新しいメッキがどのロットから始まるのか。張さんからの返信は、添付の試験報告書ごと同じスレッドに入りました。阿哲が見たければこのスレッドを開くだけ。もう 1 人挟んで転送してもらう必要はありません。
仕様は書類の上で変える
試験報告書に問題はなく、林社長もうなずきました。
阿哲がやったことは 2 つです。1 つ目は、製品 DL-CH-116 の〔製品仕様〕を「ニッケルメッキ」から新しいメッキの説明に書き換えること。2 つ目は、PI-0411 を開いてチェーンの行の仕様も書き換え、説明のひと言と試験報告書を添えて Jonas に〔送信〕することです。

Jonas が PI を開くと、また〔変更差分〕が点灯します。今回変わったのは数量でも単価でもなく、仕様の欄です。何が、誰によって、いつ変えられたのか。すべての版が〈変更履歴〉に残ります。
3 か月後に「メッキの変更に同意したのは誰?」と聞かれても、答えは誰かの記憶の中ではなく、あの書類の上にあります。

以前 vs Patisco
| 以前 | Patisco なら | |
|---|---|---|
| 設計変更の伝わり方 | サプライヤー → 阿美 → 阿哲 → お客さん、3 種類のツール | サプライヤーが Email 参加者として同じスレッドに入る |
| 試験報告書の場所 | 誰かの LINE やメールボックス | 添付がそのスレッドに残る |
| 仕様は変わったのか | 製品データ、PI、出荷書類がそれぞれ別々 | PI 上で変更して送信し、お客さんが差分で確認 |
| 誰が同意したのか | 記憶頼み | すべての版が変更履歴に残る |
社長へのひとこと:設計変更そのものは怖くありません。怖いのは、変わったことを 1 人しか知らないことです。
