本シリーズは Patisco のデモアカウント「鼎立」を使っています。掲載している画面とデータはすべてシステム上で実際に操作して生まれたもので、買い手とサプライヤーのやり取りも含め、作り物の画面ではありません。人物と会話は演出で、イラストはイメージです。画面はシステムの中国語表示のものですが、Patisco は日本語でもご利用いただけます。
物語の時間:出荷の1週間後、月曜の朝 8:15
全部大文字
PI-0411: ONE CARTON MISSING + WRONG MODEL? Our warehouse received 47 cartons, not 48. And the chains look different from the last shipment. Please check ASAP.
(PI-0411:1箱不足+型番違い? 当社倉庫に届いたのは48箱ではなく47箱です。チェーンも前回の出荷と違って見えます。至急確認してください)
読み終えた阿哲(アージャー)が最初にしたのは、阿美(アーメイ)の席を見ることでした。阿美は妊婦健診で午前休です。
次に思ったのは、47箱? ということでした。検品の日、阿美は2回数えて、1回目がちょうど47でした。
以前のやり方
こういうメールが来ると、以前は事務所全体が午前中止まっていました。
阿哲はメールボックスで PI を探し、LINE で阿美に聞きます。阿美は病院で、返事ができません。阿美と宏泰の LINE から出荷前の写真を探そうにも、見られません。阿美のスマホの中だからです。秀琴さんが共有フォルダで梱包明細書を探すと、3つの版が出てきます。
3人が別々に調べて、午前が終わっても、まだ「いったいどの版か」を確認しています。
Patisco でのやり方
答えはもともと同じスレッドに
阿哲は PI-0411 のディスカッションを開きました。Jonas のメールがここにあります。宏泰のグループでの会話と検品写真もここにあります。この PI から作った出荷伝票にも、ワンクリックで飛べます。
上にさかのぼると、検品の日に阿美が書いた「48箱、2回数えた、1回目は47」がありました。張さんが積み込み前に撮った写真にも、48箱が写っています。

AI に一度照合してもらう
阿哲は PI-0411 で〔AI に聞く〕を押しました。「この PI と出荷伝票で、チェーンの数量と箱数は合ってる? 新しいめっきの仕様はいつ変わった?」
AI はこの書類と紐づいた出荷伝票を読んで答えました。チェーンの数量は、PI と出荷伝票で一致しています。仕様がいつ変わったかについては、調べてもわからないと正直に述べ、阿哲に直接確認するよう促しました。日付をでっち上げることはしませんでした。

チェーンの数字はわかりました。残りは阿哲が〈チェーンのめっき変更〉のスレッドと PI の〈変更履歴〉を開いて自分で確認し、2つの疑問にどちらも答えが出ました。
- 1箱足りない件:鼎立が出したのは48箱で、写真も梱包明細書もあります。阿哲が運送状の追跡番号で UPS に確認すると、最後の1箱はまだケルンの中継拠点にあり、1日遅れで届くことがわかりました。
- 型番が違う件:型番の間違いではなく、新しいめっきです。Jonas の倉庫は古いサンプルと見比べていました。仕様変更は、Jonas 自身が PI 上で確認済みです。
AI が下書き、人が見てから送る
阿哲は同じスレッドで〔Email で返信〕を押し、続けて〔AI 返信案〕を押して、「どう返信しますか?」の欄に書きました。「丁寧に2点説明して、追跡番号と検品写真を付けて」
AI はこのスレッドのやり取りを読んで、メールの下書きを作りました。箱数と写真のことは書いてあり、チェーンについては逆に、相手にどこが違うのかを尋ねる内容です。阿哲は追跡番号と新しいめっきの説明を補い、数字に間違いがないことを確かめて、〔送信〕を押しました。

下書きはメール本文に入るだけで、勝手に送信されることはありません。送信前に、社内メッセージでしか話していない数字が本文に含まれていれば、システムが注意を促します。AI が自分で顧客に返信するまで、あと一歩。その一歩は人に残してあります。
11時、Jonas から返信がありました。「Found the 48th carton. Sorry for the alarm. And yes, the new plating — my mistake.」(48箱目が見つかりました。お騒がせしました。新しいめっきの件も、こちらの勘違いでした)
阿美から LINE が来ました。「どうしたの? 戻ろうか?」
阿哲の返事。「大丈夫、片づいた。健診はどうだった?」
秀琴さんの質問に、やっと答えが
午後、秀琴さんが阿哲のそばに来ました。手に持っていたのは請求書ではなくコーヒーで、それを阿哲の机に置きました。
「ポーランドの Marta さん、サンプルの代金が入ったよ」と秀琴さん。「あなたの PI に付いていた支払いリンクで払ってくれたみたい。PI の一覧で〔支払状況〕の列を開けば見られるの」
サンプルのような少額の書類では、阿哲は PI を送るときに〔支払いリンクを添付〕にチェックを入れていました。顧客はリンクをクリックすればオンラインで支払えます。支払いリンクは1本につき1回限りで、PI の正本にしかありません。
「じゃあ今回は」と阿哲。「このお金がどの書類の分か、僕に聞かなくていいんですね?」
秀琴さんは少し考えました。「今月はね」
以前 vs Patisco
| 以前 | Patisco なら | |
|---|---|---|
| 顧客からの問い合わせメール | 営業個人のメールボックス | その書類のディスカッションに入る |
| 出荷前の写真 | 購買担当のスマホ | グループの写真が同じスレッドに同期 |
| PI と出荷伝票の照合 | 3人が3か所を探す | 出荷伝票を開くか、〔AI に聞く〕 |
| 返信 | ゼロから書く | AI が下書きし、人が見てから送る |
| このお金はどの書類の分か | 秀琴さんがあちこちに聞く | 支払いリンクがその PI に結びついている |
社長へのひとこと:問い合わせメールは必ず来ます。違いは、来たときに午前いっぱいかけて答えを探すのか、答えがもうそこにあるのか、です。貿易の瞬間 #20|阿美の産休:引き継ぎがゼロからにならないその日の夕方、阿美は事務所に戻って荷物をまとめていました。すり切れて白くなったノートを机に置き、ぱらぱらとめくって、また閉じます。「あの……」阿美は林社長を見ました。「来週から産休に入ります」
